仏壇とは?その役割と種類、選び方をやさしく解説
目次
- 仏壇とは――家庭における意味と役割
- 仏壇の歴史と日本で広まった背景(簡潔版)
- 仏壇の主な種類
3-1. 金仏壇
3-2. 唐木仏壇
3-3. モダン(家具調)仏壇 - 置き方・サイズ別の分類
4-1. 台置き仏壇
4-2. 上置き(コンパクト)仏壇 - 宗派ごとの基本セットと違い(ご本尊・仏具の考え方)
- 必要な仏具一式と役割(位牌/過去帳/りん/香炉 ほか)
- 設置場所のポイント(方角・直射日光・湿気・耐震)
- 選び方のコツ
8-1. 家の間取りと導線(搬入経路・安置スペース)
8-2. サイズの測り方(間口/高さ/奥行)
8-3. 素材・意匠・お手入れのしやすさ
8-4. 予算と保証・アフター - よくあるお悩みQ&A
Q. マンションや仏間がない場合は?
Q. 神棚との関係は?
Q. 中古仏壇・引き継ぎは失礼? など - 買い替え・相続・引越しのときの基本手順
10-1. 開眼・閉眼(魂入れ/魂抜き)の考え方
10-2. 移動・保管の注意点 - 仏壇じまい・供養の流れ(閉眼供養→引取→供養→証明書→適切処分)
- 広島でお困りの方へ——相談前チェックリストとお問い合わせ案内
1. 仏壇とは――家庭における意味と役割
仏壇は、家の中でご本尊(仏像・掛軸)やご先祖さまに手を合わせる礼拝の場です。宗派や地域差はありますが、共通して次のような役割を持ちます。
- 祈りと感謝の拠点
毎日の合掌・焼香・読経を通じて、感謝や報告、願いを伝える場所。お盆・お彼岸・命日・年忌など年中行事の中心にもなります。 - ご先祖供養と継承の場
位牌や過去帳を安置し、“いま”の暮らしとご先祖さまをつなぐ接点になります。家族で手を合わせる習慣は、子ども世代への価値観の継承にもつながります。 - 心の支え・弔いのプロセス
ご葬儀後の喪失感に向き合い、日々の合掌が悲嘆から受容へと心を整える時間になります。転居や環境変化のなかでも、家族の心を落ち着かせる“原点”として機能します。 - 家族のコミュニケーションのハブ
法要の段取りやお供え・お掃除を通じ、家族が集まり語らうきっかけに。離れて暮らす家族とも、節目に思いを共有しやすくなります。 - 暮らしの規律としつらえ
毎朝夕の合掌や月命日のお参りなど、生活のリズムをつくります。掃除・お供えの入れ替えは空間を整え、清浄感を保つ習慣にも。
一言でいえば、仏壇は「祈り・追悼・感謝・継承」を日常に落とし込む小さな聖域。家族それぞれの想いを受け止め、時間の流れの中で“つながり”を可視化してくれる存在です。
※ご本尊や仏具の構成、作法は宗派ごとに考え方が異なるため、詳細はご寺院や専門家にご確認ください。次章以降で、歴史・種類・選び方を順番に整理していきます。
2. 仏壇の歴史と日本で広まった背景(簡潔版)
- 仏教伝来〜中世:寺院中心の礼拝
6世紀に仏教が伝来し、礼拝は主に寺院で営まれていました。貴族や武家の邸宅には仏間が整えられ、やがて屋内礼拝の「原型」が生まれます。 - 神仏習合と家内礼拝の浸透
日本の祖霊観と仏教供養が混ざり合い、先祖供養を家の中で行う風習が広がります。ご本尊を祀る“家の祭壇”としての意味が強まりました。 - 江戸期:檀家制度で一般家庭へ普及
江戸時代に寺院と各家が結び付く檀家制度が整備され、位牌やご本尊を安置する仏壇が全国で一般化。この頃、金仏壇(京仏壇・越前など)や唐木仏壇の意匠・技術が発展します。 - 近代〜戦後:住宅事情に合わせた小型化
都市化と住宅の洋風化に伴い、上置き(コンパクト)仏壇が登場。戦後は量産技術の向上で、材や仕上げの選択肢が増え、価格帯も多様化しました。 - 現代:生活様式の多様化とモダン化
リビングになじむモダン(家具調)仏壇が主流の一つに。集合住宅や共働き世帯の増加を背景に、省スペース・お手入れ容易・耐震配慮など実用性が重視されています。
同時に、仏壇じまい(閉眼供養→ご処分)や手元供養といった選択も一般化。ライフステージに合わせて“祀り方を見直す”動きが広がっています。
まとめ:仏壇は、寺院中心の礼拝が家内での先祖供養へと広がる中で普及し、住宅事情や暮らしの変化に応じて大型→コンパクト/伝統→モダンへと進化してきました。次章では、現在の主な種類を分かりやすく整理します。
3. 仏壇の主な種類
仏壇は大きく**意匠(見た目・素材)**で3タイプに分けられます。ご家庭の宗派・住まい・お手入れのしやすさを軸に選ぶと失敗しにくいです。
3-1. 金仏壇
特徴:漆塗りの下地に金箔・金粉を施し、極楽浄土を表す荘厳な意匠。欄間・宮殿・彫刻など細工が豊か。
主な材・仕上げ:木地+漆+金箔/蒔絵。
宗派との相性:浄土真宗で選ばれることが多いが、地域・家風で他宗派でも用いられる。
価格傾向:サイズ・金箔量・細工で幅広い。
お手入れ:乾拭き中心。金箔は強くこすらず、湿気・直射日光を避ける。
向いている人:
- 伝統的で厳かな雰囲気を大切にしたい
- 法要の場としての存在感を重視したい
チェックポイント:金箔のムラ・継ぎ目の美しさ、漆の艶、欄間や彫刻の仕上げ精度。
3-2. 唐木仏壇
特徴:紫檀・黒檀・鉄刀木などの“唐木”系材や、ウォールナット等の銘木の木目を生かした重厚な意匠。
主な材・仕上げ:無垢・突板(ツキ板)・ウレタン塗装など。
宗派との相性:多宗派で選ばれる万能型。
価格傾向:材の希少性・厚み・彫刻量で変動。無垢は高価、突板は手頃。
お手入れ:乾拭きで木目を保つ。ワックスは材・塗装に適合するもののみ少量。
向いている人:
- 木の温かみ・重厚感を求める
- 和室・洋室どちらにも調和させたい
チェックポイント:木目の通り・突板の継ぎ目・扉や引出しの建付け、内部の光の回り方。
3-3. モダン(家具調)仏壇
特徴:リビングに馴染むシンプル設計。間接照明・スライド式膳引き・収納を備えた機能派が多い。
主な材・仕上げ:国産材・オーク・ウォールナット調などの突板/化粧板+ウレタン塗装。
宗派との相性:ご本尊・仏具の配置を宗派に合わせれば問題なし。
価格傾向:サイズ・機能(LED・収納)で幅広い。
お手入れ:乾拭き中心。汚れは固く絞った布で軽く。
向いている人:
- マンションや省スペースを優先
- インテリアとの一体感を重視
- 掃除・管理を楽にしたい
チェックポイント:照明の色味(電球色が落ち着きやすい)、可動棚の有無、膳引き・引出しの耐荷重、耐震金具の取り付け可否。
迷ったら——家族が集う部屋に置くなら“モダン”、仏間や和の空間が整うなら“唐木”、格式と荘厳さを重んじるなら“金仏壇”が一つの目安です。次章では、台置き・上置きなどサイズと安置スタイルの選び方を整理します。
4. 置き方・サイズ別の分類
仏壇は**設置スタイル(台置き/上置き)**で使い勝手が大きく変わります。ご家族の身長・お部屋の導線・耐震対策まで含めて検討しましょう。
4-1. 台置き仏壇(床置き・ハイタイプ)
概要
下台(収納一体)まで含めて床に設置するタイプ。存在感があり、仏具・お供えの出し入れがしやすい。
サイズ目安(例)
- 高さ:140〜170cm(主流)
- 幅:45〜70cm
- 奥行:40〜60cm
- 膳引き有効:25〜35cm(湯呑・供物・線香を安全に置ける奥行が目安)
メリット
- 収納量が多く、法要道具やローソク等をひとまとめにできる
- 正面からのお参り姿勢が自然(目線がご本尊に合いやすい)
気をつける点
- 搬入経路:玄関・廊下・階段・エレベーターの最小幅を確認(本体幅+梱包厚み)
- 設置スペース:扉の開閉余裕+膳引きの突出寸法を確保
- 耐震:L字金具・転倒防止ベルト・不燃マットで固定(壁下地の位置も要確認)
チェックリスト
- 玄関/廊下有効幅 ___ cm(本体梱包幅 ___ cm 以上あるか)
- 設置面の水平度(ガタつき防止のアジャスター有無)
- コンセント位置(内部照明・リン灯を使う場合)
4-2. 上置き(コンパクト)仏壇
概要
チェストや専用仏壇台、家具の天板に上に置くタイプ。省スペースでマンション・洋室に好相性。
サイズ目安(例)
- 高さ:40〜60cm
- 幅:30〜45cm
- 奥行:30〜40cm
- 本尊・位牌の収まり:内部有効高さ(本尊+余白5〜10cm)/奥行(位牌+余白5cm)
メリット
- 設置自由度が高く、リビング等に自然に馴染む
- 引越し・レイアウト変更が比較的容易
気をつける点
- 台(天板)の耐荷重:本体+仏具+水物(花・湯呑)合計目安20〜40kgに耐えるか
- 転倒防止:耐震ジェル・ベルト、壁面固定が可能か
- 高さ関係:台を含めた合計高さで目線がご本尊に近づくよう調整(例:合計110〜130cm付近が目安)
チェックリスト
- 設置台のサイズ(幅・奥行ともに本体+左右/背面余白)
- 熱源・直射日光・エアコン風直撃を避けられる位置か
- 扉が全開できる背面/側面クリアランス(壁・カーテン干渉なし)
共通の測り方・失敗しないコツ
- **“外寸”だけでなく“内寸(ご本尊・位牌の収まり)”**を確認
- 膳引きや扉の可動寸法も図面でチェック
- 置き場所の床耐荷重・水平・壁下地(固定可否)を事前確認
- 夜間に読経・合掌するなら手元照明やリンの音の響きも現地でイメージ
迷ったら:
- 法要や来客が多い → 台置き(収納と安定感)
- 省スペース・洋室中心 → 上置き(家具調と相性◎)
次章では、宗派ごとの基本セット(ご本尊・仏具)を簡潔に整理します。
5. 宗派ごとの基本セットと違い(ご本尊・仏具の考え方)
まずの基本形:上段=ご本尊/脇掛(掛軸)、中段=位牌または過去帳、下段=供物・仏具。
ただし浄土真宗は位牌を用いず、過去帳・法名軸を用いるのが原則です。地域・寺院の指導で異なるため、最終確認は菩提寺へ。
浄土真宗(本願寺派/大谷派 など)
- ご本尊:阿弥陀如来(絵像または木像)。
- 脇掛:親鸞聖人・蓮如上人(派により表記や組合せが異なる)。
- 位牌:用いないのが原則。過去帳や法名軸で供養。
- 特徴:香・灯・花を丁重に供え、念仏(南無阿弥陀仏)を称える。
浄土宗
- ご本尊:阿弥陀如来(阿弥陀三尊:観音・勢至を脇侍とすることも)。
- 位牌:用いる。
- ポイント:念仏中心。三幅対(本尊+両脇掛)の構成が一般的。
禅宗(臨済宗・曹洞宗)
- ご本尊:釈迦如来。
- 脇掛:臨済=達磨大師ほか/曹洞=**両祖(道元・瑩山)**の掛軸が定番。
- 位牌:用いる。
- ポイント:質実な意匠が多く、木地の落ち着いた仏壇と相性良。
真言宗
- ご本尊:大日如来(曼荼羅=胎蔵界/金剛界を掛ける場合あり)。
- 脇侍・掛軸:不動明王・弘法大師(空海)などを祀る例。
- 位牌:用いる。
- ポイント:荘厳性を重んじ、金仏壇とも好相性。
天台宗
- ご本尊:釈迦如来/阿弥陀如来(寺院・地域で差)。曼荼羅を安置する例も。
- 位牌:用いる。
- ポイント:教義の幅が広く、菩提寺の指導に従うのが安心。
日蓮宗
- ご本尊:曼荼羅(大曼荼羅御本尊)—中央に「南無妙法蓮華経」。
- 脇掛:日蓮聖人・四菩薩等の掛軸を配すことがある。
- 位牌:用いる。
- ポイント:題目中心。掛軸の取り扱い・安置位置は寺院指導に準拠。
迷ったらここを確認
- ご本尊の種類(仏像/掛軸/曼荼羅)
- 位牌を用いるか(浄土真宗は用いないのが原則)
- 脇掛(脇侍)の組み合わせ(三幅対か一幅か)
- 読経・念仏・題目など、日々の勤行に適した配置か
次章では、どの宗派でもほぼ共通する**「必要な仏具一式と役割」**を、初めての方にも分かる順番で解説します。
6. 必要な仏具一式と役割(初めてでも分かる基本セット)
基本の考え方:上段=ご本尊/脇掛、中段=位牌または過去帳、下段=供物・仏具。
※浄土真宗は位牌を用いず、過去帳・法名軸が原則。細かな作法は菩提寺に確認すると安心です。
6-1. まず揃える“基本セット”
- ご本尊(仏像・掛軸・曼荼羅)
仏壇の中心。宗派に合わせて安置します。 - 位牌/過去帳
先祖供養の要。※浄土真宗は過去帳・法名軸が基本。 - 香炉(+香炉灰)
線香・抹香を焚く器。灰は常にふわっと保ち、ヤニや湿気を避ける。 - 花立(1本×左右 or 1本)
生花を供える器。水替えは毎日が目安。 - 火立(燭台)/LEDローソク
火を扱う場合は不燃マット・消火具を近くに。 - りん(+りん棒・りん台)
合掌・読経の合図。強く叩かず、静かに一度が基本。 - 仏飯器・茶湯器・湯呑
ご飯・お茶(または水)を供える器。“生もの”は長時間置かない。 - 高坏(供物台)
果物やお菓子を清潔に供える台。
具足の数え方目安:
三具足=香炉1・花立1・火立1(省スペース)/五具足=香炉1・花立2・火立2(左右対称で荘厳)
6-2. あると便利な補助仏具
- 線香差し・香合(予備の線香/抹香入れ)
- マッチ消し(火消し壺)・ライターケース
- 見台(経本・過去帳を立てる台)・経机
- 打敷(敷物)・前卓(見た目と所作が整う)
- 提灯(お盆・法要時)・灯り(内蔵LED)
- 掃除道具(柔らかい筆・クロス・はたき)
6-3. 配置のコツ(上段→下段の順)
- 上段:ご本尊を中央に、脇掛は左右へ。
- 中段:位牌(または過去帳)をご本尊を遮らない高さで。
- 下段:香炉を中央、花立は左右、火立は花立の内側(五具足の場合)。りんは手前右に置くと所作がスムーズ。
- 供物:高坏を左右に均等、水物は手前に。可動棚・膳引きに余裕を。
6-4. サイズ選び・素材・お手入れ
- サイズ
- 位牌の高さ:仏壇内部有効高さから上部に5〜10cmの余白を。
- りん:直径2.5〜3.5寸が上置き、3.5〜4.5寸が台置きの目安。
- 供物台:扉を閉められる奥行か必ず確認。
- 素材
- 真鍮・木製・陶器・ガラスなど。重量・安定性・手入れで選ぶ。
- 金箔部は乾拭きのみ。薬品・研磨剤はNG。
- お手入れ
- 香炉灰:月1回目安でふるい直し、焦げ塊は除去。
- 花・水:毎日交換。カビ・虫防止に器具も洗浄。
- りん:指紋を柔らか布で拭き、湿気を避け保管。
6-5. 安全・防災のポイント
- 火気は不在時に使わない/就寝前に必ず消火。
- 不燃マット・耐震ジェル・固定金具で転倒・延焼対策。
- エアコン風直撃・直射日光・加湿器ミストを避ける(劣化・カビ防止)。
次章では、仏壇の**設置場所(方角・湿気・直射日光・耐震)**を、間取り別に分かりやすく解説します。
7. 設置場所のポイント(方角・直射日光・湿気・耐震)
大原則:毎日お参りしやすい“続けやすさ”が最優先。
方角などは地域・寺院で見解が分かれるため、最終判断は菩提寺に確認すると安心です。
7-1. 方角と“置きやすさ”の優先順位
- 最優先は生活動線:家族が集まりやすく、掃除や供物の入れ替えがしやすい場所。
- 方角の考え方(目安):
- 伝統的には南向き・東向きが良いとされることが多い(光の入り方が安定)。
- 本山の方角へ向ける地域慣習も。
- いずれも厳格な全国共通ルールではないため、住まいに合う位置を優先。
- 避けたい配置:人が頻繁に出入りして扉が当たる場所、エアコンの風が直撃する場所、足元が不安定な場所。
7-2. 直射日光・熱源対策
- 直射日光は避ける:金箔・漆・木地・掛軸の退色・反りの原因。
- 窓際ならレースカーテン/UVフィルムで拡散。
- できれば窓から離して設置。
- 熱源から離す:ヒーター・床暖・キッチン熱・加湿器ミストは劣化の原因。
- 可燃物の近接NG:ローソクを使う場合は可燃物から十分距離を取り、不在時は点灯しない。
7-3. 湿気・カビ・換気
- 背面に余白:壁から5〜10cm程度離し、結露・カビを予防。
- 床が冷えやすい場所では、**敷板(不燃マット)**や台で底面の通気を確保。
- 梅雨〜夏は除湿・換気、冬は結露対策(窓際回避・こまめな拭き取り)。
- 花器・湯呑は毎日水替え、器具は定期的に洗浄。
7-4. 耐震・転倒防止(台置き・上置き共通)
- 固定が基本:
- 壁下地(柱・間柱)にL字金具または耐震ベルトで固定。
- 上置きは耐震ジェル+ベルトで台に固定、可能なら壁面にも。
- 重心を下へ:引出し・収納の重い物は下段へ。
- 扉・引出しの開き防止:強い余震に備えマグネット・ラッチで二次被害を防ぐ。
- 設置面の水平:アジャスターでガタつきゼロに。
7-5. 置き場所の具体例(住まい別)
- 和室:床の間・押入れ横など静かで通気のある壁面。
- 洋室/リビング:壁際のコーナーや柱間で、動線から半歩外れた位置。
- マンション:梁下や壁際で固定しやすい位置を優先。窓・エアコン直下は避ける。
7-6. 電源・照明・導線
- 電源位置:内部灯・仏具灯を使うならコンセントの近くに。
- コード配線:足元に這わせない(つまずき防止)。
- お参り姿勢:正面にひざまずける余白(目安:奥行60cm前後)を確保。
7-7. 設置前チェックリスト
- 設置場所(部屋/壁面):________
- 背面余白 5〜10cm:□確保
- 窓・直射日光:□当たらない/□対策済(レース・UV)
- 熱源・風:□エアコン直撃なし/□ヒーター・床暖から距離あり
- 床の水平・耐荷重:□OK(上置きは台の耐荷重も確認)
- 転倒防止:□L金具/□ベルト/□耐震ジェル
- コンセント位置:□近接/□配線安全
- 動線・扉干渉:□なし(扉全開可)
次章では、**仏壇の選び方のコツ(サイズ計測・素材・お手入れ・予算)**を具体的に解説します。
8. 選び方のコツ
8-1. 家の間取りと導線(搬入経路・安置スペース)
まず「置けるか」より「運べるか」を確認。 玄関〜廊下〜階段(またはエレベーター)〜設置部屋までの最小幅・高さ・曲がり角を実測します。
- 搬入経路チェック
- 玄関ドア有効幅:____ cm(本体梱包幅+余白が確保できるか)
- 廊下の最小幅:____ cm(手すり・出っ張りも考慮)
- 階段:蹴上・踏面・天井高・踊り場の直角曲がりを確認
曲がり角の基準:本体“対角線寸法”が曲がりスペースに入るか - エレベーター:ドア幅/奥行/高さ、さらに対角で入るか
- 安置スペースチェック
- 設置幅=本体幅+左右余白(各5〜10cm)
- 設置奥行=本体奥行+背面余白(5〜10cm)+扉厚/膳引き突出
- 扉全開の可動域(壁・カーテン・家具に干渉しないか)
- コンセント位置(内部灯・仏具灯を使う場合)
ワンポイント:「設置後の掃除・水替え・供物入替の動線」もシミュレーション。台置きは正面60cm以上の余白があると所作が楽です。
8-2. サイズの測り方(外寸・内寸・仏具の収まり)
外寸は部屋に、内寸はご本尊・位牌に“ゆとり”を。
- 内寸の基準
- ご本尊の高さ=本尊実寸+上余白5〜10cm
- 位牌の高さ=位牌実寸+上余白5cm
- 奥行=位牌/仏具の実寸+手前余白3〜5cm(扉・膳引き干渉なし)
- 仏具サイズ目安(例)
- りん:上置き 2.5〜3.5寸/台置き 3.5〜4.5寸
- 高坏(供物台):扉を閉められる奥行か要確認
- 花立・火立:五具足は左右対称に置ける幅が確保できるか
- 耐荷重
- 上置きは台(天板)の耐荷重を必ず確認
合計=「仏壇本体+仏具+水物(花・湯呑)+供物」
- 上置きは台(天板)の耐荷重を必ず確認
- 計測のコツ
- 紙テープで床に外寸を仮取り→生活動線で邪魔にならないか体感
- 図面がある製品は扉開放時寸法・膳引き寸法までチェック
8-3. 素材・意匠・お手入れ(使い続けやすさで選ぶ)
見た目+メンテ負担+耐久性のバランスで。
- 金仏壇(漆・金箔):荘厳・格式。直射日光と湿気に弱い→設置場所とケアを重視
- 唐木仏壇(銘木・突板):木の温かみ。乾拭き中心で艶を維持
- モダン(家具調):リビングに調和。LED・可動棚・膳引き・収納など機能面を比較
- 仕上げ・構造の確認点
- 扉・引出の建付け(ガタつき/開閉音)
- 内部照明の色味(電球色が落ち着きやすい)
- 耐震金具の取り付け可否(背板・下地)
- 表面仕上げ(ウレタン等)は手入れ方法を事前に確認
- 小さなお子さま・ペット対策
- 膳引きの耐荷重・ストッパー
- 扉のマグネット強度/倒れにくい重量バランス
8-4. 予算と保証・アフター(総額と安心感)
本体価格だけでなく「設置・固定・アフター」を含めた総額で判断。
- よくある費目
- 本体・仏具一式(基本セット/五具足)
- 搬入・設置・耐震固定(L字金具・ベルト・不燃マット等)
- 開眼・閉眼の準備(寺院への依頼は各家の考え方により)
- 既存仏壇の引取り・供養・適切処分(証明書の有無)
- 保証・サポートの確認
- **初期不良・可動部(扉・膳引き・照明)**の保証範囲と期間
- 設置後のメンテ(調整・部品交換・電装)
- 地震対策の提案・施工可否(賃貸の場合の配慮)
- 長く安心して使うために
- 納品時に水平・固定・配線まで最終チェック
- 手入れ方法(乾拭き/禁忌洗剤)を書面で共有
- 将来の**仏壇じまい(閉眼供養→引取→供養→証明書→適切処分)**の相談先も確認
迷ったら:「家族が続けやすいサイズ・手入れ・設置位置」を最優先に、耐震固定とアフターの質で最終決定するのが失敗しにくい選び方です。
次章では、実際に寄せられるよくあるお悩みQ&Aを簡潔に回答します。
9. よくあるお悩みQ&A
Q1. マンションで仏間がないのですが?
A. 上置き(コンパクト)仏壇+専用台がおすすめです。直射日光とエアコンの風を避け、壁から5〜10cm離して通気を確保。耐震ジェル+ベルトで固定し、合計高さが110〜130cm前後になるよう台の高さで調整するとお参りしやすくなります。
Q2. 神棚と仏壇は同じ部屋でも大丈夫?
A. 可能です。一般には向き合せを避けて少しずらす、または神棚を上段・仏壇を下段に配置するなど“お互いを尊重する距離感”を取ります。厳密な全国共通ルールはないため、菩提寺・氏神様のご意見に合わせるのが安心です。
Q3. 中古仏壇や実家の仏壇を引き継いでも失礼になりませんか?
A. 失礼にはあたりません。サイズが住まいに合うか、建付け・金具・配線の状態を確認し、必要に応じて洗い(クリーニング)・補修を。**閉眼(魂抜き)→移動→開眼(魂入れ)**の手順は、地域や寺院の考えに従います。
Q4. 宗派や菩提寺が分からないときは?
A. 戒名の文字や位牌・過去帳、故人の葬儀先、親族の仏壇を手がかりに確認します。確定前は共通構成で仮安置し、判明後にご本尊・脇掛・仏具を整える方法もあります。
Q5. 小さな子どもやペットがいて火が心配です。
A. LEDローソク・電池式灯や微煙・短寸線香を活用しましょう。不燃マットを敷き、膳引きの耐荷重・ストッパーも確認。就寝時・不在時の消火徹底が基本です。
Q6. 供える花や食べ物に決まりは?
A. 季節の生花が基本。強い香り・トゲ・毒性のあるものは避けるのが無難です。お菓子や果物は清潔な高坏に。生ものは長時間置かない、水は毎日交換が目安です。
Q7. 仏壇はいつまでに用意すればいい?
A. 目安として四十九日法要までに整えるご家庭が多いです(地域差あり)。納期や設置・固定、開眼の段取りを考えると早めの準備が安心です。
Q8. 引越しやリフォームで移動する場合、閉眼は必要?
A. 同一宅内の小移動では省略されることもありますが、長距離移動・長期保管・解体搬出を伴う場合は菩提寺に相談を。仏具の梱包は本尊・位牌を最優先に丁重に行います。
Q9. 買い替え時、古い仏壇はどうすれば?
A. 一般的な流れは閉眼供養 → 引取り → 供養(お焚き上げ等) → 証明書発行 → 適切処分です。位牌・過去帳は必ず分けて取り扱い、菩提寺と手順を合わせてください。
Q10. 予算を抑えつつ失敗したくありません。
A. まず設置環境とサイズを確定し、次に機能(照明・可動棚・収納)と耐震固定の可否で候補を絞ると効率的です。本体だけでなく「設置・固定・仏具・将来の供養」まで含めた総額で比較しましょう。
次章では、**買い替え・相続・引越しのときの基本手順(開眼・閉眼/移動・保管)**を、チェックリスト形式で解説します。
10. 買い替え・相続・引越しのときの基本手順
ポイントは 「閉眼→移動/処分」「設置→開眼」 の順序を守ること。宗派や地域で作法が異なるため、最終判断は菩提寺に確認すると安心です。
10-1. 開眼・閉眼(魂入れ/魂抜き)の考え方
用語の整理
- 開眼(かいげん):新しい仏壇・ご本尊・位牌などを礼拝の対象としてお迎えする儀式。
- 閉眼(へいげん):お役目を終える仏壇・ご本尊・位牌からご霊性をお遷しする儀式。
※浄土真宗は位牌を用いず過去帳・法名軸が原則。
いつ必要?(目安)
- 新調時:設置後→開眼。
- 処分時:搬出前→閉眼。
- 移動時:
- 同一宅内・短距離の小移動は省略される場合あり。
- 長距離移動/長期保管/解体搬出は閉眼→移動→開眼が無難。
依頼先・準備物
- 依頼先:菩提寺(またはご希望の寺院)。日程・場所・宗派の確認。
- 準備:お供え(果物・菓子・花・お茶やお水)/焼香具/座布団・経机。
- 御包みの表書き例:
- 本式…「御布施」「御車料(移動がある場合)」「御膳料(会食代相当)」
- 金額は各家・地域慣習により異なるため、寺院へ事前確認が安心。
当日の流れ(例)
- 僧侶入室・次第の説明
- 读経・礼拝(閉眼ではご本尊・位牌等を丁重に撤下)
- 開眼ではご本尊を安置・荘厳を整え読経
- 焼香・合掌
- 片付け・挨拶(御布施お渡し)
メモ:旧仏壇の閉眼 → 搬出、新仏壇の搬入・設置 → 開眼の順に行うと段取りがスムーズです。
10-2. 移動・保管の注意点(引越し・相続・買い替え共通)
搬出前チェック(破損防止)
- 現状写真をスマホで数枚(内部配置・配線・仏具の位置)。
- 本尊・位牌・過去帳を最優先に個別保護(やわらか布+緩衝材、箱に「上積み厳禁」「天地無用」明記)。
- 金箔・掛軸は湿気・直射日光厳禁。
- 小物は袋分け→箱に一覧メモを同梱。
運搬方法の選び方
- 専門業者/仏壇店/仏具運搬経験のある引越業者を選定。
- 大型(金仏壇等)は分解・再組立の経験必須。
- ルート・日程は雨天・高温多湿を回避。
- 運送保険の加入可否と免責範囲を確認。
搬入・設置時のポイント
- 事前に設置場所の水平・背面余白(5〜10cm)・コンセント位置を確認。
- 耐震固定(L金具/ベルト/耐震ジェル)をその場で実施。
- 扉開閉・膳引き・照明を動作確認。
- 最後に清拭(乾拭き)→荘厳配置を整える。
一時保管(やむを得ない場合)
- 立て置き・直射日光回避・除湿が基本。
- 段ボール直置きは湿気を吸うため下にパレットや板を敷く。
- 長期保管は推奨せず。必要時は菩提寺へ相談し、**仮安置(簡易の礼拝環境)**を整える。
相続で引き継ぐとき
- 宗派・菩提寺の確認:位牌・過去帳・法名軸の扱いが変わる。
- サイズ適合:新居に合わない場合、上置き+専用台や仏壇の洗い・補修も検討。
- 戒名追加・位牌整理:繰り出し位牌や過去帳への集約などは寺院に要相談。
スケジュール目安
- ご葬儀後は四十九日法要までに基本体制を整えるのが一般的(地域差あり)。
- 買い替えは閉眼→搬出/新仏壇搬入・固定→開眼の順で同日または連日実施すると滞りが少ない。
当社サポートの使いどころ(例)
- 閉眼・開眼の手順相談(段取り表の作成)
- 搬入経路の事前採寸・耐震固定の施工
- 旧仏壇の引取り・供養・証明書発行・適切処分
- 相続に伴う配置替え・サイズ変更の提案
次章では、当社で実施している仏壇じまい・供養の流れ(閉眼供養→引取→供養→証明書→適切処分)を、チェックリスト形式でご案内します。
11. 仏壇じまい・供養の流れ(立会い不要/証明書発行)
当社標準フロー:①お見積 → ②搬出 → ③提携寺院へ持込み → ④供養・適切処分 → ⑤供養証明書を後日発行。
原則としてお客様の立会いは不要です。ご希望があれば立会い可否を事前にご相談ください(寺院日程・形式により異なります)。
11-1. ご相談・お見積(無料)
- 受付:お電話/LINE/フォーム(24時間受付、最短即日対応)
- あると早い情報:住所・建物(階数/EV有無)、仏壇の外寸・写真(正面/側面/周辺導線)、宗派・菩提寺の有無、位牌・過去帳の点数、駐車可否
- 見積方法:現地またはオンラインで確認し、作業範囲・所要時間・費用を明記したお見積書をご提示
当日追加費用について(明確化)
- お客様から当日に追加のご依頼があった場合のみ、事前に金額をご説明→ご了承後に実施します。
- 見積時に無かった費用を当日突然加算することはありません。
11-2. 作業当日(養生→撤下→搬出)
- 開始前確認:お見積内容/搬出経路/エレベーター・近隣配慮
- 丁重な撤下・保護:
- ご本尊・位牌・過去帳・遺影は最優先で個別保護(やわらか布+緩衝材)
- 付属仏具は一点ずつ分別・梱包
- 養生・搬出:床・壁・EVを全面養生→安全搬出→車両へ積載
- 室内の軽清掃・最終確認:忘れ物・混入物がないかチェック
安全配慮:火気は当日までに使用停止(ローソク・線香)。直前の水替えは控えめに(漏れ防止)。
11-3. 提携寺院での供養・適切処分(当社が持込み/立会い不要)
- 当社が仏壇を提携寺院へ持込み、寺院にて閉眼後の供養(お焚き上げ等)→適切処分まで一括で手配します。
- 供養証明書:供養完了後、郵送またはPDFでお渡しします(寺院名・供養日・方法等を記載)。
※ご希望により合同供養/個別供養のいずれかをご案内可能です(寺院都合・ご希望内容により可否あり)。
11-4. 位牌・過去帳・ご本尊の取り扱い
- 原則として位牌・過去帳はご家族でご管理いただきます(菩提寺の方針に準拠)。
- ご事情がある場合は寺院の取り扱い方針を確認のうえ最適な方法をご提案します。
11-5. 法令順守・個人情報の保護
- 解体・分別・処分は関連法令・自治体ルールに準拠。
- 引出し等から手紙・写真・帳票が見つかった場合は、個人情報に配慮してご家族に確認のうえ適切に処置します。
11-6. 当日までの準備チェックリスト
- □ 仏壇と設置場所の写真(正面/側面/周辺導線)
- □ 搬出経路の幅(玄関・廊下・階段)とエレベーターの予約可否
- □ 駐車スペース・管理人申請の要否(マンション)
- □ ご本尊・位牌・過去帳の一時保管箱(布・緩衝材)
- □ 近隣配慮が必要な時間帯の把握
- □ 菩提寺の有無・方針(不明でも構いません)
広島で仏壇じまい・供養にお困りの方へ
**ナーガサポート(広島仏壇供養サポート)**が、見積無料/24時間受付/最短即日対応で丁寧に承ります。
TEL:082-927-0500 | LINE:@956dwpyl(供養証明書発行)
12. 広島でお困りの方へ —— 相談前チェックリストとお問い合わせ
12-1. 相談前チェック(あるとスムーズ)
- ご住所・建物種別(戸建/マンション・階数・エレベーター有無)
- 仏壇の外寸(高さ・幅・奥行)と写真(正面/側面/周辺導線)
- 宗派・菩提寺の有無、位牌・過去帳の点数
- 駐車スペース/管理人申請の要否(マンション)
- 立会い希望の有無(※原則不要/ご希望時は事前相談)
12-2. 当社の安心ポイント
- 見積無料/24時間受付/最短即日対応
- 立会い不要で一貫対応(搬出 → 提携寺院へ持込み → 供養・適切処分 → 供養証明書発行)
- 当日追加費用は、追加ご依頼があった場合のみ事前説明→ご了承後に実施
(見積にない費用を当日突然加算することはありません) - 法令順守・環境配慮/個人情報の適切取扱い
12-3. 対応エリア(目安)
広島市全域(中区・西区・佐伯区・安佐南区・安佐北区・東区・南区)/
廿日市市・府中町・海田町・熊野町・坂町・安芸太田町・安芸高田市 ほか
※上記以外もご相談ください。
12-4. お問い合わせ(24時間OK)
- TEL:082-927-0500
- LINE:@956dwpyl(ナーガサポート)
- お問い合わせフォーム:サイト内「お問い合わせ」から
コピー用テンプレ(そのまま送れます)
「仏壇供養の見積をお願いします。
住所:__市__区/建物:__(階数・EV有無)
仏壇サイズ:高さ__cm×幅__cm×奥行__cm
位牌・過去帳:__点/菩提寺:あり・なし
ご希望日:__月__日(時間帯:__)
写真を送付します(あり・なし)。」
12-5. ご利用の流れ(再掲・簡潔)
①見積(無料) → ②搬出 → ③提携寺院で供養・適切処分 → ④後日「供養証明書」発行
※お客様の立会いは原則不要です。希望時は事前にご相談ください。
—
広島仏壇供養サポート(運営:株式会社Wise world/窓口:ナーガサポート)
見積無料・最短即日で丁寧に対応いたします。

